裁判官の人情お言葉集 長嶺超輝・著(幻冬舎新書)
訓戒というのも裁判官にとっては重要な仕事だと思います。単に機械的に刑を言い渡すだけでは、被告人は反省も更正もしないでしょう。自分がやったことをしっかり理解させ、それが社会的にどういう意味を有するのかを理解させ、そしてこれから自分がどういう生き方をしなければならないのかを理解させて初めて、「人を裁く」という作業が完成するのでしょう。
裁判員裁判も始まりました。単に形式的に刑を言い渡すだけではなく、裁判員との協議の結果得た結論を反映させることもまた、裁判官に今後課せられた任務となるのではないでしょうか。
この本には、人情味あふれる裁判官の訓戒が多く収録されています。裁判所、裁判官に興味がないという方も、是非この本を手にとって、彼ら彼女らもまた人間であることを知ってもらえればと思います。
また、それだけでなく、この本では危険運転致死傷罪の問題点についても分析を加えられたりしています。裁判員裁判でも重要な争点になる部分ですから、興味のある方は是非読んでみてください。
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